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りょう

Author:りょう
職業:臨床工学技士、米国呼吸療法士

アメリカ留学中の私、りょうが米国呼吸療法士に関する情報を週に1回ぐらいのペースで綴ります。

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ご意見、ご感想はいつでも歓迎です。こちらまでお気軽に。


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早いものでもう年末です。
今年もまた大きな変化のあった年でした

さて、今回は前回少し出てきたPTP(pressure time product)に関してです。
実践できるかどうかは別として、面白い考え方なので、できるだけわかりやすく書いてみます。

これまで過去の記事で呼吸仕事量(WOB)に関して何度か書いてきました。
PTPもまた呼吸に必要な仕事を評価する一つの指標です。

「はい、吸って~」と息をする時、胸腔内圧が下がります。
ん?どのくらい深く下がったんだろう?
深く下げれば下げるほど大変そうです。

ん?どのくらいの時間下がったんだろう?
長く下げれば下げるほど大変そうです。

簡単に言ってしまえば、こういったことです。
どのくらい深く、そしてどのくらいの時間下がっていたか、これをグラフ化してその面積を計算したものがPTPです。

じゃあ、早速、胸腔内圧を測定しようか。
って現在は、胸腔内圧を直接測定できる方法がありません。
ですので食道内圧を測定して、胸腔内圧の代用とします。

その食道内圧のグラフィックがこちらです。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、上から4番目のグラフでPesというのが食道内圧の波形です。
時々、へこんでいますよね?それは、吸気によって胸腔内圧が下がったことを示しています。
その吸気の際にへこんでいる面積がPTPなのですね。

じゃあ、食道内圧を測定しようか・
って実は、現時点では、日本においては測定する方法はありません。
海外ではそういった製品がでていますが、日本にはないです。
そういった意味で、今後でてくればより注目されるかもしれませんね。

<参考文献>
Intensivist 2012; 4: 779-787
なんとか無事に終わりました
JSEPTICセミナー「呼吸器離脱」

JSEPTICは憧れのセミナーで、敷居の高いイメージもあったので、今回は正直言っていつも何倍も緊張しました。
※JSEPTICでは、雑誌INTENSIVISTの発行と並行して毎回関連したセミナーが実施されています。

トップバッターだった私は、呼吸器離脱に関連して換気モードとグラフィックがお題でした。
換気モードはNAVA、ATC、PAV、SmartCare、ASVを離脱に絡めて紹介。グラフィックは換気メカニクスおよびAsynchrony(エィシンクロニー)について話しました。
最近、Asynchronyに興味をもってまして、波形の写真がたくさんあったので活用できました。やっぱりこういった時にボタン一つで画面のスクリーンショットができる人工呼吸器は助かります。

その後、著名な先生方の講演を聞いていました。
個人的に特に関心が高かったのが「呼吸仕事と呼吸筋疲労」の講演。
ある意味マニアックな領域なのですが、できるだけ実践におきかえてのわかりやすい講演でした。
例えば呼吸仕事に関連するPTP(pressure time product)や呼吸筋疲労に関連するTTI(tension time index)など「あ~、ちょっと難しいかな」と思わせながらも、最後はこういったケースでは呼吸仕事の増大や呼吸筋疲労を起こしやすいなどかなり実践的でした。

一番最後は各演者が前に座って、これまで受け付けた質問に答える「呼吸器離脱に関して何でもお答えします」コーナー。
JSETPICだけあってやはり質問のレベルが高い。
これが一番緊張でしたが、なんとか無事に終わりほっとしました


昨日は仙台での講演に行ってきました
今回は、主に看護師向けの人工呼吸(初級編)でしたが、結構工夫を凝らしてみたので多くの方に楽しんでもらえたらうれしいなぁ。

さて、今回はAARCでのブースでみた珍しいものを取り上げます。
たぶん、日本では導入されていないし、現時点では導入される予定も聞いたことがないものばかりです

まずは、これ、学会展示場の入口にドンと出ていて、とても目立っていました。
Cough Assist T-70
非常におしゃれなカフアシストです。
前に呼吸療法医学会でみたものよりさらにかっこいい。
今どきのデジタル家電を思わせます。

次は、これ、挿管チューブの位置ずれやつまりを検出する装置。
AirWAVE
音波を出してチューブの位置ずれやつまりなどがわかり、それをカラフルな画面でわかりやすく示してくれます。
「おっ、いいなぁ」と思ってみていましたが、そのセンサーがディスポ使用でちょっとお高かったような記憶があります。

最後は、こちら、チューブがつまってきたって時に出番となる
CAM catheters
挿管チューブにカテーテルを通してたまっていた分泌物を取り除くための器具。
確かにそういった方法はありえたでしょうが、今までは挿管チューブに対しては使用されてなかったですね。

以上、今回はブース編でした。

ニューオリンズで開催されたAARC(米国呼吸療法学会)に行ってきました。
今回の個人的なメインイベントは発表。
何年も前から目標にしていたので、反省点は多々ありましたが、やっぱり実現できて嬉しかったです。
AARCは過去に日本人が何人か発表していることもあり、比較的発表しやすい場だと思います。次に発表したいと思われる方のためにも、今回経験した流れを感想とともに書いておきます。

1)抄録
今回のAARCは11月開催で抄録の締め切りは6月でした。
日本でも大きな学会ではそのぐらい早いですが、結構慌ててしまいました。
アメリカ人に最終英語チェックをしてもらいぎりぎり提出。

2)全体の流れ
発表はopen forum(オープンフォーラム)として区分けされていて、日本とは仕組みが異なります。日本では口演とポスター発表がありますが、AARCでは、ポスターで展示して、その後に壇上に立っての説明となります。オープンフォーラムにもよりますが、参加者は限られていて30-50人ぐらいだと思います。

3)ポスター展示(写真)
オープンフォーラム開催時間の30分前くらいからポスターを展示していきます。
その後、開催時刻がきても40-50分はポスターの前にいて質問を受け付けます。
ここでは結構気軽に質問がきます。私の場合は3-4グループの方から質問がきました。

4)檀上でのプレゼン(写真)
その後に「ではそろそろスタートしましょうか」と壇上でのプレゼンが始まります。一つのオープンフォーラムの発表者は十数人で、一人2-3分の時間で口頭(パワーポイントなし)での説明をします。
短い時間なので発表のサマリー(そのトピックを選んだ理由、結果、臨床的な意味)を話します。
座長がよく聞いていたのは、「take home message(テイクホームメッセージ)は何ですか?」だったのでそれも入れます。
ちなみにRTの教授のアドバイズは、「原稿を読んだり、暗記したりはせずに普段のように話せ」でした。
日本語ではそのようにできても、英語ではやはり困難で、反省点でした。

5)質疑応答
オーディエンスはアメリカ人ですし、比較的少人数なので、質問はやっぱりきます。発表によっては、質問がない場合もありましたが、私の場合は2人から質問がきました。
ちなみに質問はマイクを使用せずに、ぼそぼそと質問してくるので、かなり聞き取りにくいかと思います。

6)終了
全員の発表が終わった後にポスターをはずして終了です。
日本とは異なり、ポスターを展示している時間は短いです。


最後に
AARCでの発表に関心がある方のために、今回経験したことを記載しました。
日本の医療従事者の方、特にCEの方にどんどん発表してもらえればうれしく思います。ご一報いただければ、私でできることはお手伝いします。

新しい画像 (5)

新しい画像 (6)
「どうしてまだウィーニングをするのでしょうか
(Why are we still weaning?)

こういった論文が米国の重鎮であるHess先生とMacIntyre先生によって書かれています。

実は、ウィーニング自体もなくなってきているのです。

ん?じゃあ、どうやって呼吸器をはずすの
ちょっとややこしそうですが、言葉の定義の問題です。

ウィーニングはしません、でも呼吸器の離脱はします。

どういうこと
ウィーニングとは、少しずつ呼吸器のサポートを下げていくことと定義されます。

最近の流れとしては、呼吸器離脱の際には、ACからSIMVやPSVを飛ばしてSBTを行う流れにあります。

つまり、徐々に下げることはしません。だからウィーニングではないのです。


雑誌INTENSIVISTの特集もウィーニングではなく、呼吸器離脱とありますね。
そういった理由ではないでしょうか?
(ちょうど数日前に発売されましたが、おもしろそうです。まだ全く読めていませんが・・)

ちなみにSBTを何度か試みてうまくいかない時は、ウィーニングに切り替えることもあります。
「この方はウィーニングが必要かもしれませんね。」
といった感じの会話になります。

<参考文献>
Am J Respir Crit Care Med. 2011;184:392-4


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