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りょう

Author:りょう
職業:臨床工学技士、米国呼吸療法士

アメリカ留学中の私、りょうが米国呼吸療法士に関する情報を週に1回ぐらいのペースで綴ります。

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ご意見、ご感想はいつでも歓迎です。こちらまでお気軽に。


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「あっ
ちょっと驚きです

ATS(アメリカ胸部学会)のHPに新型インフルエンザで重症化した場合の換気方法のガイドラインが掲載されました。

著者はあのMacIntyre(マッキンタイラー)先生です
Duke大学でAARC(アメリカ呼吸療法学会)の重鎮です。

え!?何が驚きかって
ガイドラインが掲載されたことよりもMacIntyre先生がAPRVを推薦しているのが驚きです

MacIntyre先生は結構APRV反対のイメージでした。
APRV反対というよりもオープンラング反対というべきかも。

肺保護換気の方法をざっくりと2つにわけてしまうと低一回換気療法オープンラング法に分かれます。

どちらも十分なPEEPが必要という点、高すぎる吸気圧(プラトー圧)は悪という点は同じです。

じゃあ、似てる

いえいえ、無気肺に対するアプローチという点では正反対と言っていいくらいです。

無気肺を許容してでも一回換気量やプラトー圧は低く維持・・・・ってのが低一回換気療法。

無気肺が悪。一時的に高い圧をかけてでもそれを広げよう・・・・ってのがオープンラングです。

どちらがいいのかはわかりません。
現時点でエビデンスが確立しているのは低一回換気療法。
日本の学会でより注目されているのがオープンラング法。

MacIntyre先生は低一回換気療法派でした。
その先生がオープンラングの変法とも言えるAPRVを推薦しているとは・・・。

ガイドラインでは低一回換気療法、APRV、HFOVが推薦されています
一見の価値有りです
こんな場面がよくあります

A医師「ICPが高いからPEEPは0cmH2Oでよろしく!」

さて、どうする

これならICPへの影響は減らせても肺への悪影響は大きいのでは?


多くの教科書にはPEEPはICPを上昇させるとあります。

これって間違いではないでしょう。
PEEPでもいろんなレベルがありますからね。

またリクルートメントでICPが上昇したという例も聞きますから高圧による影響はあるでしょう。

だからって・・・・0cmH2O

教科書には書ききれないことって山ほどあるはずです。
また新しい知見もたくさんでてきています。

ある研究では
「重症の頭部外傷の患者においてPEEPを5、10、15cmH2Oと変化させてもICPは変化しなかった。」
とあります。

ICPが高いからPEEPは0cmH2Oと言われる場合にはこういった論文を使ってディスカッションしてみるものありでしょうね

<参考文献>
Toan Huynh. Positive end-expiratory pressure alters intracranial and cerebral perfusion pressure in severe traumatic brain injury. Journal of Trauma-Injury Infection & Critical Care 2002 53:488-493
5~6年前、そう私が留学する前ぐらいは
「腹臥位は酸素化は改善するけど、生存率に差がでないからなぁ

そういった見解が一般的だったと思います。

でも帰国後、ある施設で、
「腹臥位を行わなければ助からなかったと思える症例」
も聞いていますし、肺の拡がり方が改善する症例も見ています。

腹臥位は一体有用なのそうでないの
と思っていた矢先・・・
前の北海道での救急医学会である先生が
「最近、腹臥位で生存率が改善したという研究が出た。」
というのを聞いて気になっていました。

その先生が言っていた文献かどうかはわかりませんが、
こんなの見つけました
「ARDSにおける腹臥位の効果―メタアナリシスー」

過去の4つの研究に対してメタアナリシスを行い、酸素化、死亡率、人工呼吸器装着日数、VAPの発生率をみていますね。

結果を見てみると、おぉ~
酸素化改善はもちろんですが、重症患者において死亡率の改善もあったと出ています。


<参考文献>
Alsaghir,Abdullah H. MD. Effect of prone positioning in patients with acute respiratory distress syndrome: A meta-analysis. Critical Care Medicine.2008; 36 (2): 603-609
ご無沙汰してます。ちょっと本業がバタバタで更新遅れました。

最近、講師業が多いです。
大阪技士会 「肺保護について」
チームCE 「人工呼吸器のアラームについて」
某大学 「RTを目指して」
の話をしてきました。(しかも土、日、火とほぼ連続

せっかくなので今回はそこで使用したネタを一部書きます。

ここ数年VILI(人工呼吸による肺障害)が注目されてますよね。
で、その原因として圧が悪いだの量が悪いだの、それによって生じた炎症性因子が悪いだのって・・・。

ん~、ちょっと待てよ。ここで疑問。
そもそも圧が悪いのか量が悪いのか
はっきりしようよ。
って話は実は結構前からあったようです


1988年のDreyfussによるネズミの実験です。

ねずみの胸腹部にバンドを巻いて人工呼吸を行った。
(バンドは圧の調整に用いられる)

1、高い気道内圧+高い一回換気量
2、高い気道内圧+低い一回換気量
3、低い気道内圧+高い一回換気量

肺障害を起こしたのはどれでしょうか(正解は2つ)

1は当然ですね。簡単です。
ならあと一つは?

うん、答えは・・・・3です。(驚き

そう、高い気道内圧は問題にならなかったんですねぇ。
つまり量による過進展(オーバーストレッチ)が悪さをしている。

ここからBarotrauma(圧による障害)ならぬ、Volutrauma(量による障害)が注目され始めました。




<参考文献>
Dreyfuss D. high inflation pressure pulmonary edema: respective effects of high airway pressure, high tidal volume, and positive end-expiratory pressure. Am Rev Respir dis 1988; 137(5): 1159-1164


「ICUのAさん、PEEP 5cmH2Oでよろしく
という医師のオーダー。
よくある光景ですね。

「先生、なんでAさんは PEEP 5cmH2Oなんですか

いい質問です
うん、それはCTを撮りながらPEEPをかけて、肺の開き具合を・・・なんて先生はもちろんいませんし、そんな大変なことはできません><


この質問にちゃんと返答してくれる先生っていい先生ですね。

ちなみに「酸素化が悪いからだよ~」ってのは返答に含みません。
じゃあ、なんで5cmH2Oみたいな・・・。


むか~しから、PEEPの最適設定は議論されてます。
(並べると圧迫感ありますが・・・)
最大の酸素供給になる方法、最大のコンプライアンスを得る方法、人工呼吸器の動的PV loopから得る方法、Auto PEEPに対するcounter PEEP、リクルートしてPaO2が下がり始める点などでしょうか。

で、ここ数年ででてきたのがlow flow PV loop。

「むにゃ~、じゃあどうやって設定するの

うん、3つの方法がよく知られていますね~

(下記写真参照)
ずっ~と前から言われているLIP付近での設定。
LIPとUIPの間で吸気側の最大のコンプライアンスになり始める値。
PEEPは呼気だから急激にコンプライアンスが変わる呼気側の点(PMC= point of maximum curvature)。


じゃあ、どれがいいのって?

たっくさんの先生がそれぞれの意見を持っているので・・・なんとも言えません。

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