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りょう

Author:りょう
職業:臨床工学技士、米国呼吸療法士

アメリカ留学中の私、りょうが米国呼吸療法士に関する情報を週に1回ぐらいのペースで綴ります。

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2年ぶりの「やっぱり自発呼吸」シリーズです

自発呼吸が肺を開くのはわかった(過去の「やっぱり自発呼吸」参照)。
でもそれってしんどい状況なのに無理矢理呼吸しているから肺には負担がかかるんじゃないの

VILI(人工呼吸器による肺損傷)の理由の一つに肺のストレッチがあります。

多めの一回換気量をいれることによって肺がストレッチする。例え気道内圧が低くても、肺がストレッチすれば危険といわれています。

だからいくら自発呼吸が様々な良い面があると言っても、結局は自発呼吸(吸う力)によって肺をストレッチさせているからVILIの面に関して危険かも・・・ともとれます。

だから今回の研究はおもしろいのです。
まだ動物実験ではあるのですが、BIPAP(2相性換気)において自発呼吸を残す群と残さない群にわけた。

自発呼吸を残した方が、死腔やコンプライアンスも改善はもちろん、組織学的に肺の損傷が軽度だったとでています。

そういった点では自発呼吸は、VILIにも効果があることが示されたわけですね。

<参照>
Crit Care. 2011 Oct 21;15(5):R244.
Effect of spontaneous breathing on ventilator-induced lung injury in mechanically ventilated healthy rabbits: a randomized, controlled, experimental study.

コメント

以前からりょうちゃんは知っていた内容だと思うけれど、そしてさらに日本に来たときのプーテンセンの講演でも、換気モードはAPRVで異なれど、血流分布や肺の進展度合いは自発呼吸が存在していたほうが良かったと言っていましたね。

でも実際に自発呼吸を止めて換気するということはあり得るのでしょうかねぇ? 心臓血管外科術後の初期や気管挿管直後であれば納得できるけれど、酸-塩基平衡で思わぬ値になってしまったときや、中枢性神経障害、進展受容体への過度な刺激による呼吸抑制以外で自発呼吸のドライブを消して人工呼吸を行うことってあるのかいな? 少なくともうちの環境ではあり得ないもんな。

肺が一つの袋であれば、経肺圧に応じて(ストレッチ度合いに応じて)肺損傷を起こしていくと思うのですが、実際はそうではないですからね。
両者の換気エリアの違いが強く影響しているように見えます。
コンプライアンスが異なることからもわかるとおり、一つ一つの肺胞に加わる経肺圧は両者で異なるのではないかと思われます。
可能な限り全ての肺胞を開存させることの重要性も感じますし、より効率よく換気を行い得るセッティングが必要なのでしょう。
やはり生体の備えた機能はとても優秀ですね。

ウチでも自発呼吸を止める状況は・・・、気管挿管直後か脳低温療法中くらいですかね。
後者にしても、体温コントロール上の問題がある場合に限りますし、積極的に治療を行っている段階の患者では滅多にお目にかかれないです。
ぶっちゃけ、管理もとても楽ですしね。

>ももたろうさん
プーテンセン先生はなつかしいです。先生は自発呼吸について非常に興味深い講演をされていました。同行中に先生を質問攻めにして記録していたデータをPCの引っ越しとともになくしてしまいました(泣)最近は自発呼吸温存が非常に浸透してきているので世間でも呼吸に関心の高い施設では自発なしは相当減ってきている印象です。でも、また最近、ARDS初期の筋弛緩が論文化されたので一議論でてくるかもしれません。

>DOG-Xさん
補助循環の件ではお世話になりました。経肺圧はおもしろい指標の一つですが、確かにそれでどこまで言えるのかはわからない点だと思います。しばらくして、食道内圧がより気軽に測定できるようになればその辺も議論も進みそうな気がします。

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