「・・・これって実はかなり大変
」
ある研究会からの依頼で翻訳作業をしています
専門の分野なら英語でも読めるし、翻訳も大丈夫
・・・・な~んて思っていたら今、痛い目にあっています
う~ん、調子に乗ってたくさん引き受けてしまった。。
というわけで今回は現在翻訳中の文献のお話を。
ではちょいと問題
「末梢(先端の方)の気道にある分泌物(痰)はどうやってノドの方まで運ばれるのでしょうか
」
1、繊毛運動
2、重力
3、空気の流れ
4、分泌物が勝手に動く
5、なんか、よくわかんな~い
え
簡単すぎる
とっくに学校で習ったって
そうですね。「繊毛運動」ですね。
みんな知ってますよね。はい、これで50点です。
実はちょっとひっかけです。
正解は一つなんて言っていません
そもそもなんで気道から分泌物なんて出てくるのだろう
おかげで吸引しなければならないし、仕事が増えるだけなのに~
でもこれのおかげで口から入ってくるホコリとか、ばい菌とかが肺にまで入らないのですね
うん、よかった~
さらに・・ホコリやばい菌のついた分泌物が気道に残っているとまた大変
っていうわけで登場するのが、「
繊毛運動君」+「空気の流れ君」。実は彼らにはちょっとした役割分担があります
二人とも全体で働くけど、
繊毛運動君は主に末梢気道で、空気の流れ君は主に中枢気道で働いてます。え
どうしてって
うん、末梢にいくほど気道が大きくなるから。
いや、誤字じゃないです。
末梢にいくほど大きいのです。気道って末梢に行くほど、たくさん枝分かれしてますよね
小さくはなっていくけど、それ以上に数は増えますよね
(末梢気道をあわせると中枢気道よりも大きい
)
数が増えるってことは・・・そう気道についている
繊毛の数も増えちゃいます。っていうわけで
繊毛運動君は末梢気道で活躍します。では空気の流れ君は
これって普通の呼吸の時でも咳の時にでも起こる空気の流れのこと。
気道が末梢にいくほど大きいってことは、中枢にいくほど小さいよね
小さくなれば空気の流れも速くなる。水の出ているホースをぎゅっと抑えて細くすると「びゅーー」って水が出ますよね?細くなったので水の流れが速くなっていますね。
空気もいっしょ。
そして速くなるほど分泌物も動きやすい
というわけで
空気の流れ君は中枢気道で活躍します。今回はなんか豆知識っぽくなってしまいました。
ーーまとめーー
末梢にいくほど気道の面積は大きくなる。
末梢気道では繊毛運動が活躍。
中枢気道では空気の流れが活躍。
<参考文献>
Cees P van der Schans. Bronchial Mucus Transport; 52(9) : 1150-1158
私も以前Volunteerでやったことありますが、自分で
読むのと、適切な言葉を適切な表現で翻訳するって
ほんとに大変!! 頑張ってください:)
自分で読むぶんには楽なのにね~。
日本での生活はどうですか?
私は今日から夏セメ開始です。頭がまだ寝てる感じですが… 早くもっともっとRT情報交換等できたらいいのにな、っていつも思います。