あ~、おもしろい文献みっけ

肥満の呼吸生理学についての過去の研究がまとまってる。
これが意外におもしろく、新しく気付くことが多かったです

では一つクイズを

次のうちで肥満患者で起こる現象は

1、胸郭のコンプライアンスの低下
2、肺自体のコンプライアンスの低下
3、気道抵抗の増加
4、呼吸仕事量の増加
5、酸素消費量の増加
ちょっとひねってありま~す

以下解説。
1、簡単ですね。寝た状態で誰かに上に乗ってもらってくださいね

2、ちょっと曲者。過去の研究では肺自体のコンプライアンスも下がってたそう。
肥満→心拍出量→血管volumeの増加
Or
肺が虚脱してLIP以下で呼吸してるからかな~って考えられてます。
3、意外だった・・・。
Zerahらの研究としては肥満で56%の気道抵抗の増加があったとのこと。
すっげ~吸った状態では気道の径が一番大きい。(気道抵抗↓)
すっげ~吐いた状態では気道の径が一番小さい。(気道抵抗↑)
肥満ってことはFRCが下がっているから気道抵抗も上がってる。
一度気付けば簡単ですね

4、コンプライアンス低下、気道上昇なら呼吸仕事量はUPですね。??とおもった人はこの
過去の記事を参照

5、Kressらの研究ではスリムな人221ml/minに対して肥満の人355ml/min。OP前の鎮静状態での研究。
ということで上のクイズは全部が正解

楽しめましたか

楽しめたあなたにはもうひとつおまけ

肥満患者はFRCの低下がよく言われますが、一番豪快に低下しているのはERVでした。RVにはERVほどの影響はないようです。
(RVやERVってなんだ

って方は
こちらへ)
<参考文献>
Mark Anthony Powers MD. The obesity Hypoventilation Syndrome. Respiratory Care 2008; 53(12): 1723-1730