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りょう

Author:りょう
職業:臨床工学技士、米国呼吸療法士

アメリカ留学中の私、りょうが米国呼吸療法士に関する情報を週に1回ぐらいのペースで綴ります。

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ご意見、ご感想はいつでも歓迎です。こちらまでお気軽に。


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「うん、書いてみよう
3ヶ月前、ある人の勧めで某雑誌にアメリカでの体験談を投稿することにしました。

先週その査読結果が返ってきて、今日は半日かけて修正でした。
ふぅ~、疲れた~

という訳で今日はアメリカ体験談について。

アメリカ留学へのきっかけ
以前、働いていた大阪の病院はCEのメインの業務が人工呼吸管理というなんとも珍しい病院(今は変わったようですけどね。)

そこで麻酔科の先生より猛特訓。勉強になったなぁ。
おかげで人工呼吸管理が大好きになり、
よいセミナーや学会があれば新幹線に乗ってはるばる関東まで。

そういった中、聞いた言葉が「アメリカのRTはすごい。」ということ。
「そうなん?ならぜひ実際に見てみたい」と思い、留学を決意。


カナダ、そしてアメリカへ
ワーキングホリデー制度なるものを利用してカナダのバンクーバーへ語学留学。
色んなの国からの留学生とともにせっせと英語の勉強。
ちなみにバンクーバーの夏は最高です。ビーチ最高です

楽しいけど目的を果たさなきゃということでRTの学校へ行くためにアメリカへ

一番苦労したこと

もっちろん英語です。
見事にアメリカ人には私の日本人英語が通じなかったし、しかも彼らは話すの速い。
猛特訓してなんとか通じる程度になりました。


病院実習、そして就職

実習・・・みんなフレンドリーです
日本の実習は怖いイメージありますけど、アメリカはフレンドリー。

しかも実習中にほとんどのRTの業務を体験できます。
日本ではそうはいきませんよね。

その後、就職困難でしたが、なんとかLA付近で就職先をゲット

アメリカでの初就職・・・緊張しました~

でもみんないい人達で、業務も慣れてなく、英語もあまりうまくない私にもみんな良くしてくれました。

勤務最後の日はサプライズ(ちょっとばれてましたが・・笑)で送別会。
しかも名前入りのケーキまで出てきてうれしかったです。
しかもアメリカンサイズw

そうそう、その時になんの特徴もないただの白いTシャツを「どうぞ」と渡され、「ん?なんだこれは」と思って拡げてみると・・・
なんと熱いメッセージが書かれた寄せ書きのTシャツでした(写真)。

寄せ書き


いかがでしたか?
文字数の関係でかなりシンプルになりましたが、今回は気分を変えてアメリカ体験談でした。
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「ICUのAさん、PEEP 5cmH2Oでよろしく
という医師のオーダー。
よくある光景ですね。

「先生、なんでAさんは PEEP 5cmH2Oなんですか

いい質問です
うん、それはCTを撮りながらPEEPをかけて、肺の開き具合を・・・なんて先生はもちろんいませんし、そんな大変なことはできません><


この質問にちゃんと返答してくれる先生っていい先生ですね。

ちなみに「酸素化が悪いからだよ~」ってのは返答に含みません。
じゃあ、なんで5cmH2Oみたいな・・・。


むか~しから、PEEPの最適設定は議論されてます。
(並べると圧迫感ありますが・・・)
最大の酸素供給になる方法、最大のコンプライアンスを得る方法、人工呼吸器の動的PV loopから得る方法、Auto PEEPに対するcounter PEEP、リクルートしてPaO2が下がり始める点などでしょうか。

で、ここ数年ででてきたのがlow flow PV loop。

「むにゃ~、じゃあどうやって設定するの

うん、3つの方法がよく知られていますね~

(下記写真参照)
ずっ~と前から言われているLIP付近での設定。
LIPとUIPの間で吸気側の最大のコンプライアンスになり始める値。
PEEPは呼気だから急激にコンプライアンスが変わる呼気側の点(PMC= point of maximum curvature)。


じゃあ、どれがいいのって?

たっくさんの先生がそれぞれの意見を持っているので・・・なんとも言えません。

ループ


ゆっくり~PV loop

「みなさん、PV loopは観察されてますか

これってかなりおもしろい
LIP、UIPはもちろん、コンプライアンスが大きく変化する圧力はどこ?なんてのもわかる。
リクルートメント前後でloopの変化を比べて肺の状態も評価できる。
すごくないですかぁ

今時の人工呼吸器ならそのほとんどがPV loopを表示できますよね。
通常の換気中に表示されるPV loopは「動的PV loop」っていわれます。

でも残念ながら・・・それは参考になりません(グスン)

必要なのは動的PV loopじゃなく、静的PV loop。

んにゃ?なにそれ

代表的なのはスーパーシリンジ法。
どデカシリンジ(3Lらしい・・)を使って50mlまたは100mlずつ空気を肺へ送り圧力を測定していく方法です。

この方法の違いで表示される結果が大きく変わってしまうのだ。

風船とストローを用意しましょう
風船にストローをくっけて力いっぱい「ふうぅ~」って膨らませてください。
う~ん、口の中すごい圧力。
風船の中の圧力との差って大きそう。
これが動的。

次は少しずつ膨らませてください。
さっきみたいに口の中はすごい圧力ではないですよね。
風船の中の圧力との差も小さそう。
これが静的。

PV loopも同じ。
動的だと肺(風船)の中の圧力をちゃんと反映しない。

じゃあどうしたらいいのって
どデカシリンジを買って下さい・・・なんて言いません。

もしシリンジマニアで持ってたとしてもベッドサイドでの測定はとても大変。

ということで代わりにlow flow PV loop(準静的)ってのを使います。

10L/min以下の低い流量(low flow)でPV loopを描くと静的PV loopと同様のLIPなどが得られるなんて言われています(参考文献1)

そういえば、あのAARCをリードしているDuke大学のMacIntyre先生も2007年のCSRC(カリフォルニアの呼吸学会)にてlow flowじゃないと意味がないと言っていました。

参考までにlow flow (黒)と通常のflow (赤)の比較した写真です。
かなり違いますね
DSCF0472.jpg


<参考文献>
1)Quentin Blanc et al. Inspiratory pressure-volume curves obtained using automated low constant flow inflation and automated occlusion method in ARDS patient with a new device. Intensive Care Medicine; 28(7) : 990-994

ある知り合いのCEからの症例相談

60歳男性 ARDS
設定 PCV 28 PEEP 13
呼吸回数 45回前後

頻呼吸をなんとかしたいけど、どんな設定にしたらいい?

さてみなさんならこの相談にどう答えますか

APRV? リクルートメント?

先日、集中治療医学会の地方会へ参加してきました。
そこのCEシンポジウムでのまとめの言葉。
「CEはその道のスペシャリストであるべき。そして機械だけでなく、患者さんの状態も把握すべき。」

私は大賛成です。

例えばこの症例で、必要なのはまず頻呼吸の原因をアセスメントすること。

頻呼吸の原因として考えられるのは、Vtが少ない、低酸素血症、高二酸化炭素血症、組織酸素の不足、代謝性アシドーシス、死腔率が高く多くのMVが必要、炎症性、チューブ刺激や不安、鎮静不足などでしょう。

ABGでいくつかはすぐにアセスメントできるし、聴診や血算などでもいくつか除外できますね。
もちろん基礎データ(源疾患、合併症、経過、フィジカルアセスメント、X-rayなど)も必要です。

例えばヘマトクリットが下がって組織酸素が不足しているなら輸血、鎮静不足なら鎮静の再検討、代謝性アシドーシスならその原因の再検索という対応が必要になります

リクルートメントやAPRVなどで対応できるのは低酸素血症か、よくて高二酸化炭素血症ぐらいです。
そして上記の情報を把握することによってこれらの評価もより確実になります。

ぜひ機械だけでなく、患者さんの状態も把握しましょう。

近くに臨床のプロである医師や看護師がいるのですから

もしどうしても近くに聞ける人がいないのならブログ左上のプロフィールから私にメールくださっても結構です。(もちろんメールでできることは限られていますが・・・。)

臨床と機械を両方わかるCEが増えればこれほど心強いことはありません。

臨床工学および呼吸療法の発展を祈っています。




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