さて、質問です。
ここに2人の人工呼吸器(VCV:従量式)で管理されている患者さんがいます。
1)体重300kg 気道内圧 45cmH2O
2)体重 60kg 気道内圧 45cmH2O
その他の設定等は同じだとします。
どちらの患者さんが
VILI(人工呼吸による気胸などの肺障害)を起こす可能性が高いでしょうか

a) 1)の患者さん
b) 2)の患者さん
c) 同じ
今日はしばらく前に参加したCSRC(California society for respiratory care)で聞いた話を参考にして書きます。
正解はb)です。
1)の患者さんは肥満のために気道内圧が上がっています。
同じ気道内圧の上昇でもリスクは変わります。
全身状態についてはなんともいえませんが、
VILIに関していえば2)の患者さんの方がリスキーです。
よく気道内圧がVILIのリスクとして挙げられますが、
ほんとのリスクはどれだけ肺がストレッチしたかということ。
肥満などのために胸壁が広がらなければ高い気道内圧でも肺はそれほどストレッチしてないということ。
ちょっとややこしいですね。砕いてみます。
え〜と、汚い話ですいませんが、ゲロ袋って覚えてますか

そうそう子供の頃、バスに乗る時にもたされた内側がナイロンで外が紙袋の2重構造にした袋。
それを膨らませてみてください。
では、次に難しい注文ですが、外の紙袋を瓶に変えた物を作ってください。中はナイロン袋のままです。
それも膨らませてください。まぁ、瓶なので膨らみませんが。。
同じ圧力で膨らませた場合は明らかにゲロ袋の中のナイロン袋がよりストレッチしてますね。
同じですね。
ナイロン=肺、紙袋または瓶=胸壁
としてます。
ということで胸壁が広がりにくい肥満の患者さんの
圧はあがりやすいけどそれほど肺はストレッチしてないということになります。
腹臥位の患者さんもOP後に胸部を包帯でぐるぐる巻きにされた患者さんも同じことがいえますね