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りょう

Author:りょう
職業:臨床工学技士、米国呼吸療法士

アメリカ留学中の私、りょうが米国呼吸療法士に関する情報を週に1回ぐらいのペースで綴ります。

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ダイビングと呼吸

みなさん、スキューバダイビングをされたことありますか
医療関係者には経験者が多いようですね。

先日、2回目の体験ダイビングに挑戦しました。
1回目はボロボロでしたが、今回は意外に楽しくて、次はライセンスを取ろうとたくらんでいます

ダイビングは何かと呼吸が絡みます。

一番気になりそうなのが、これ・・
「ダイビングの後、18時間(or 24時間)は飛行機に乗らないこと」

はじめは「なんのこっちゃ」と思いましたが、呼吸を学んでいる方なら納得のはずです。

ドッボーン・・・ブクブクブク・・・
と潜っていくと圧力が上がっていきます。
(10mなら2気圧、30mなら4気圧)


圧力があがると血液中に溶け込む窒素が増えます。
(これってFIO2をあげると、血液中に溶け込む酸素量が増えるのと同じですね。)


深いところから急速に浮上して圧力がさがると、溶けていた窒素が気泡となってでてきます。
(気泡によって関節や中枢神経の障害、呼吸困難などを起こす)

これが急速浮上による減圧症。
ポイントは気圧の上昇によって窒素の溶け込む量が増え、それが浮上によって気泡になるということですね。

飛行機の件もこれと同じで機内は大気圧(1気圧)よりも低い0.8気圧程度で維持されています。それによって溶け込んでいる窒素が気泡化しないように18時間(または24時間)は乗らないでおきましょうとされています。

ん~、早くライセンスをとって潜りたい
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過換気症候群になっている方をみられたことありますか
これは病院内に限らず、普通の生活の中でも一度は見られたことがあるかと思います。

小学校の全校集会の時とかに見たことないですか
私の学校だけですかね。。。
あと、もう何年も前ですが「あいのり」を見てた時、○○ちゃんが失恋して過換気になってしまい、紙バッグをあてられていました。

救急の世界では結構知られているようですが、もうこのペーパーバッグ法は勧められていないのですね。

数年前に目の前の人が過換気になったのでバッグをあてたことあります。ちょっと反省ですね。

参考文献より勧められていない理由をいくつかみてみますと・・・・

・低酸素症や死亡の症例が報告されている。
・臓器障害(代謝性アシドーシスなど)による過換気の場合はPaCO2の上昇やPaO2の低下となる。
・ペーパーバッグ法は成功しないことが多い。
・生命の危機でない場合、安心させたり、説明を行なうことで改善する。

他にも対応は腹式呼吸を促すなども記載されています。

以前は常識的と考えられていた治療法も非常識となりえるのですね
こういった点では人工呼吸の血ガス合わせなどもそうですから同じですね。

<参考文献URL>
http://emedicine.medscape.com/article/807277-treatment


なんか、前に書いた「肥満の呼吸生理学」に続いてシリーズっぽくなってしまった。。
世の中にはいろいろ調べる人いますからね。

で、低体温の時はどうなるのだろう
意外と興味ありませんか?
低体温療法も増えてきてますし・・。


今回の事故的な低体温症の文献なのでそのまま低体温療法につながるかわからないけど、十分参考になりそうです。

では、せっかくなのでクイズっぽくしましょう。

低体温症での呼吸生理における変化は
○×で答えてね

1)酸素消費量が低下する。
2)気管支スパズムが起こりやすい。
3)死腔が増加する。
4)誤嚥のリスクが増える。
5)重症になると無呼吸の可能性がある。


では解説
1)は簡単ですね。温度下がれば酸素消費量は低下しま~す。

2)はちょっと謎ですが・・・。
文献上はスパズムが起こるとはっきりと書いています。
実際、ウィージングとかよく経験しますか~?

3)気管支の拡張により、解剖学的および生理学的死腔が増えるとのこと。
でも肺胞での死腔は増加しないって。へぇ~、そうなんだ

4)繊毛運動が低下→誤嚥のリスクUP。
繊毛運動が低下するなら痰の貯留も増えそうですね~。

5)あっ、これも驚き。
あまりに温度が低くなるとCO2の呼吸ドライブへの刺激が弱まるそうです。
なので重症になると、高二酸化炭素血症になったりアプニアになるとのこと。

というわけなので全部○ですね。
結構おもしろくないですか?

<参考文献>
M.L. Mallet. Pathophysiology of accidental hypothermia. QJ Med 2002; 95:775-785



肥満の呼吸生理学

あ~、おもしろい文献みっけ
肥満の呼吸生理学についての過去の研究がまとまってる。
これが意外におもしろく、新しく気付くことが多かったです

では一つクイズを

次のうちで肥満患者で起こる現象は
1、胸郭のコンプライアンスの低下
2、肺自体のコンプライアンスの低下
3、気道抵抗の増加
4、呼吸仕事量の増加
5、酸素消費量の増加


ちょっとひねってありま~す以下解説。

1、簡単ですね。寝た状態で誰かに上に乗ってもらってくださいね

2、ちょっと曲者。過去の研究では肺自体のコンプライアンスも下がってたそう。
肥満→心拍出量→血管volumeの増加
Or
肺が虚脱してLIP以下で呼吸してるからかな~って考えられてます。

3、意外だった・・・。
Zerahらの研究としては肥満で56%の気道抵抗の増加があったとのこと。
すっげ~吸った状態では気道の径が一番大きい。(気道抵抗↓)
すっげ~吐いた状態では気道の径が一番小さい。(気道抵抗↑)
肥満ってことはFRCが下がっているから気道抵抗も上がってる。
一度気付けば簡単ですね

4、コンプライアンス低下、気道上昇なら呼吸仕事量はUPですね。??とおもった人はこの過去の記事を参照

5、Kressらの研究ではスリムな人221ml/minに対して肥満の人355ml/min。OP前の鎮静状態での研究。

ということで上のクイズは全部が正解

楽しめましたか
楽しめたあなたにはもうひとつおまけ

肥満患者はFRCの低下がよく言われますが、一番豪快に低下しているのはERVでした。RVにはERVほどの影響はないようです。
(RVやERVってなんだって方はこちらへ


<参考文献>
Mark Anthony Powers MD. The obesity Hypoventilation Syndrome. Respiratory Care 2008; 53(12): 1723-1730



気道での働き者

「・・・これって実はかなり大変

ある研究会からの依頼で翻訳作業をしています

専門の分野なら英語でも読めるし、翻訳も大丈夫・・・・な~んて思っていたら今、痛い目にあっています

う~ん、調子に乗ってたくさん引き受けてしまった。。

というわけで今回は現在翻訳中の文献のお話を。


ではちょいと問題

「末梢(先端の方)の気道にある分泌物(痰)はどうやってノドの方まで運ばれるのでしょうか

1、繊毛運動
2、重力
3、空気の流れ
4、分泌物が勝手に動く
5、なんか、よくわかんな~い


簡単すぎるとっくに学校で習ったって
そうですね。「繊毛運動」ですね。
みんな知ってますよね。はい、これで50点です。

実はちょっとひっかけです。
正解は一つなんて言っていません


そもそもなんで気道から分泌物なんて出てくるのだろう
おかげで吸引しなければならないし、仕事が増えるだけなのに~

でもこれのおかげで口から入ってくるホコリとか、ばい菌とかが肺にまで入らないのですねうん、よかった~

さらに・・ホコリやばい菌のついた分泌物が気道に残っているとまた大変っていうわけで登場するのが、「繊毛運動君」+「空気の流れ君」。

実は彼らにはちょっとした役割分担があります
二人とも全体で働くけど、繊毛運動君は主に末梢気道で、空気の流れ君は主に中枢気道で働いてます。

どうしてって

うん、末梢にいくほど気道が大きくなるから。
いや、誤字じゃないです。末梢にいくほど大きいのです。

気道って末梢に行くほど、たくさん枝分かれしてますよね
小さくはなっていくけど、それ以上に数は増えますよね
(末梢気道をあわせると中枢気道よりも大きい
数が増えるってことは・・・そう気道についている繊毛の数も増えちゃいます。
っていうわけで繊毛運動君は末梢気道で活躍します。

では空気の流れ君は
これって普通の呼吸の時でも咳の時にでも起こる空気の流れのこと。
気道が末梢にいくほど大きいってことは、中枢にいくほど小さいよね
小さくなれば空気の流れも速くなる。水の出ているホースをぎゅっと抑えて細くすると「びゅーー」って水が出ますよね?細くなったので水の流れが速くなっていますね。
空気もいっしょ。

そして速くなるほど分泌物も動きやすい
というわけで空気の流れ君は中枢気道で活躍します。

今回はなんか豆知識っぽくなってしまいました。


ーーまとめーー
末梢にいくほど気道の面積は大きくなる。
末梢気道では繊毛運動が活躍。
中枢気道では空気の流れが活躍。


<参考文献>
Cees P van der Schans. Bronchial Mucus Transport; 52(9) : 1150-1158



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