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りょう

Author:りょう
職業:臨床工学技士、米国呼吸療法士

アメリカ留学中の私、りょうが米国呼吸療法士に関する情報を週に1回ぐらいのペースで綴ります。

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「PaO2だけで酸素化を語っていけない

呼吸管理を学び始めた頃に恩師である麻酔科の先生によく言われました。

そりゃそうですね。
PaO2が同じ100mmHgでもFIO2が0.21の場合と1.0の場合とでは肺の酸素化能は全然違う。

だからP/F ratio(PaO2/FIO2)が必要

酸素化の指標っていくつかあるけど、これって計算が簡単なこともあってかなりの普及率です。

でもそろそろ
「P/F ratioだけで酸素化を語ってはいけない
って言われる日がくるかもしれませんね。

P/F ratioが同じ300でもPEEPが5cmH2Oの場合と20cmH2Oの場合とでは肺の酸素化能は全然違うので。

以前にも「ALI?ARDS?」の記事で触れましたがP/F ratioでの診断もややこしくなっています。


最近、よく聞くようになったのがOI(Oxygen Index)。
新生児の分野ではよく使われているようですが・・・。
これはFIO2だけでなく、平均気道内圧も加味しています。
(ちなみにPEEPが1cmH2O上昇すれば、平均気道内圧も1cmH2O上昇しますね。)

前の学会でThomas Stewart先生もこれについて触れていました。
ALI/ARDSにおける死亡率の関連性を示した研究では、コンプライアンスやP/F ratioは死亡率に関連しなかったが、OIは死亡率に関連したとのことでした。

※ OI(Oxygen Index)= (平均気道内圧×FIO2×100)/PaO2

<参考文献>
Eric J Seeley. Predictors of mortality in acute lung injury during the era of lung protective ventilation. Thorax 2008 64: 994-998
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「人工呼吸器のIE比の設定ってこだわる必要がありますか

立て続けにこんな質問がでていたので今日は基本に戻ります。

答えはもちろん・・「NO」です。

なぜでしょうか?
だって教科書にIE比は1:2って書かれてるし・・

そう、例えば一番わかりやすい例はウィーニング時。
SIMVで2回の設定にしていたら・・・
それでもIE比にこだわりますか

え~と、それって30秒が一回の呼吸サイクルだから、
うん、10秒吸って、20秒吐く・・・軽い拷問ですね
いえ、拷問が好きな人はいいですが。。

私ははっきりいって設定においてはIE比は無視です
その代わりに吸気時間を設定します。
もちろんFlow カーブ上のAuto PEEPもないようにしたいですね。
(以前、メルマガに書いた内容で~す

ちょっと皮肉っぽくいうなら・・・
昔々のIPPVなら設定回数以上に吸えないからこだわってもいいかも。それ以前にIPPVを使用することが問題ですけどね

IPPVと言えば、6年ほど前・・・
某Ns「先生、Aさんが頻呼吸です。」
某Dr「IPPVに変更して。・・・・ほら回数へったやろ

って吸いたくても吸えね~だけじゃんってのがありました。
さすがにこういうのはもうないと思いますが。。

話がそれましたが、結論
「IE比1:2に設定しましょう」なんて書かれている本はもう古いです。
近いうちにブックオフへ持って行きましょう


「あ~、また呼吸器チェックシートの転記ミスだぁ。」
「字がきたなくて読めないよ~
「研究のためにあのデータを記載しておけばよかったぁ。」

たぶん、こういった時に役立つのでしょうね。
これ・・

PDAを持って行って、人工呼吸器に向けてピッとやると1秒でデータ送信。
はい、呼吸器チェック終了~みたいな。

リンク先の資料を読むと・・
ふ~ん、いろんな人工呼吸器に使えるんだって。

さらに聴診の結果や痰の性状なども記載して保存できる。
そのデータがサーバに飛んで永久にデータ保存が可能。
うん、そういったリスク管理には便利そう。

そういえば日本では人工呼吸器のデータの詳細はあまり管理されてないような・・。ですよね
基本データのみが紙ベース、最近は電子化されたとこも増えたかな。

今の仕事では詳細のデータが残っていればもっとスムーズだったのに~ってこともあるからそういった時にも便利かな。

でもこれやっちゃうと書き写す必要がなくなるので、データを見なくなる人が増えそう。今後、日本に入ってきたらそれは注意ですね。


20年前なら
「とりあえずこの頭部外傷のAさんに過換気療法を行っておいて~

「もうAさんは過換気療法して5日目だね

なんてのも多くあったのではないかと思います。

でも今なら・・・・あっては困りますね


でもまだいくつかの施設はこのように行っているかもしれません。



ちなみに過換気療法とは、ICP(頭蓋内圧)が上がって大変だ~って患者さんに対してPaCO2を低めにコントロールしたらICPが下がったぞ~という40年も前の研究が始まりのようです。
長い歴史ですね~。
私、生まれていません。残念ながら・・・。


で、それからしばらくICPを下げる目的でとりあえずや長期過換気療法も使われていたのですね。


ポイントは「とりあえず」「長期」。これらが悪者です。

どうして
ちょっと悪者分析です

「とりあえず」ってのはここではICPや他の関連データも見ずに盲目的にすることとしましょう。

過換気をするとICPが下がってうれしい~と思えても、実はICPが下がるのは過換気にして脳の血管を収縮させているから。
もちろん脳の血流も下がっています

リスクもあるのですね。
このガイドラインにも「盲目的にはしないでね」と書いてありますね。

次に「長期」。
実はこの過換気療法は効果は長続きしないのです
長期で行うと予後が悪くなってしまった・・・という研究もあります。
よって短期勝負ということになります。


過換気療法はOK。
でも「とりあえず」「長期」はやめましょうね。

次回は頭部外傷における過換気以外の話題。
「PEEPと肺保護法」について

<参考文献>
Steven Deem MD. Management of Acute Brain Injury and Associated Respiratory Issues. Respiratory Care; 51(4) : 357-367


MRIで使える人工呼吸器あるの

とある医師からの質問


基本的に人工呼吸器は金属を含んでいるのでMRIでは使えません。

唯一、日本で使える人工呼吸器は

パラパックシリーズのMRI対応品のみです。


もちろん、これらは搬送用の人工呼吸器なので簡易的な設定しかできません。

ですので、あまりにも肺の状態の悪い患者さんにはちょっと使いにくいかもしれませんね。


そこで最近新しく見つけたのがこれ。

「servo - i MR Environment option」

そうあのサーボiです。
英語でなんかややこしく書いてますが、結局はMRIで使えるスペシャルバージョンのサーボiが出たということです。

うーん、びっくりですね
ICUでも対応できるような人工呼吸器でMRIでも使えるというものは今までなかったですからね。

ちなみに通常のサーボiからアップグレードできるようです。
値段は書いてませんけどね



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