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りょう

Author:りょう
職業:臨床工学技士、米国呼吸療法士

アメリカ留学中の私、りょうが米国呼吸療法士に関する情報を週に1回ぐらいのペースで綴ります。

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「お~!、とうとう出た

今まで、ずっとクリアにならなかった成人ARDSに対するHFOVの有用性。

実は、留学中もAARC(米国呼吸療法学会)で議論がされたりしていて気になっていました。

それがとうとう出ました。

しかも、New England Journal of Medicineです。
(非常に掲載が困難だが、その分信頼性が高い雑誌)

さて結果は・・・

「成人における中等症〜重症のARDS患者においてHFOVは低一回換気療法、 高PEEPの人工呼吸と比較してより院内死亡率を減少させない, もしくは増加させるかもしれない

え?そうなん
結構なインパクトです。
オープンラングがそのまま否定されるわけではないですが、ある意味ちょっとショックです。

HFOVには結構関心があったのですが、これで使いづらくなってしまいました。


<参考文献>
N Engl J Med. 2013 Feb 28;368(9):795-805
N Engl J Med. 2013 Feb 28;368(9):806-13


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「終わった
初の試みだったLonny先生のワークショップが無事に終了しました
通訳は大変!ということをまた改めて認識しましたが、それでも非常に楽しめました。

今回、Lonny先生はPCVの話を多めにしてくれたのですが、本日のトピックはその延長線上でPCVとプラトー圧でいきましょう

このブログの読者の多くの方はプラトー圧を知ってますね?
わかりやすいのが、VCVで吸気時間中に、ガスを送っている時間とそれがとまる時間があって、止まる時間の方の圧力です。

え?わかりにくい
では、「はい、深呼吸して~」「はいて~」
吸気と呼気の間にポーズ時間がありましたよね?
通常の呼吸でもわずかにあります。
それを人工呼吸でも作ることができるのですが、VCVの換気だとピン!ときやすい。

そしてその時の圧力がより肺胞の圧力を反映するということで、肺障害に対してより大事なのでしたよね。プラトー圧を30cmH2O以下に維持しようといくつかのガイドラインででています。

さて、ここでちょっと混乱しやすい点なのですが、二人のDrがPCVのプラトーについて話しています。どちらが正しいでしょうか?

Dr.A:PCVでは毎回、吸気圧=プラトー圧ですよ。
Dr.B: PCVの吸気圧とプラトー圧は全く別物ですね。

さて、意見が大きくわかれました
プラトー圧は肺胞の圧力を反映しているはずなので、肺胞の圧力を測ればわかります。では、測定してみましょう!っていっても普通は無理なのでTTLと呼ばれる高級なテスト肺で模擬してみました。TTLは肺胞圧も表示できます。

さて一つ目の写真。
見にくくてすいません。PC-ACで吸気圧は20cmH2Oです。
人工呼吸器の上がflow 波形、下が圧波形、そして一番下の別のモニターが肺胞圧を示しています。そのモニターの目盛は0-20cmH2Oです。(スケールが異なるので波形の大きさも異なる)

ここでよく見ると、PC-ACの吸気圧20cmH2Oで肺胞圧も20cmH2Oになっているがわかります。
じゃあ、Dr.Aが正しいのかぁ~・・・ってそうとも限らない。

二つ目の写真。
次も20cmH2Oの吸気圧の設定ですが、肺胞圧は20cmH2Oに達していないのがわかります。

二つの違いはなんだろう
はい、写真をよ~く見るとわかります。
フロー波形の吸気側が0に戻っているかどうかの違いなのですね。
0に戻っているなら吸気圧=プラトー圧、0に戻っていないなら吸気圧>プラトー圧ですね。

そして今回示した肺胞圧を簡単に表示してくれるのが、吸気ポーズでプラトー時間を伸ばした場合(=プラトー圧測定)の表示です。

<今回のポイント>
・PCVで吸気フローが0に戻っていれば吸気圧=プラトー圧
・PCVで吸気フローが0に戻っていなければ吸気圧>プラトー圧
・吸気ポーズでプラトー圧=肺胞圧を測定できる。




PCVflow0


PCVflownot0.jpg

月日は早いものですね
もう帰国して2年が過ぎてしまいました。

そういえば私が留学する前くらいはバッグによるリクルートメントが少し話題になっていました。あれがリクルートメントの始まりだったのかなと思います。

あれから早くも数年が過ぎました。
これまでの研究からリクルートメントについてどのようなことが言えるのかな~と思ったところに、昨年いくつかの研究をまとめたレビューが出ていました

1998年のAmato先生からの研究を初めに2008年までの7つの研究(1170名)をまとめたレビューです。これによると死亡率には差がでていないようです。でも逆に血圧やバロトラウマにも差がでていないようです。

でも酸素化が良くなるのは皆さんも経験されているはず

はい、研究でも酸素化はリクルートメント後には改善される傾向があるといったとこでした。

じゃあ、一時的に酸素化がよくなるだけで予後には影響しない

これはわかりません。
現在のレビューではここまでですが、人工呼吸日数などは十分なデータがないのです。

またかける圧も研究によってばらばらでLachmann先生のように肺胞が開くまでかけるわけでもないようです。

もしかしたら前にあげたPEEPの研究のように患者でわければ差がでるかもしれません。

今回のレビューでは差はでませんでしたが、今後いろんな結果が出ると期待しています。

<参考文献>
Hodgson C, et al. Recruitment manoeuvres for adults with acute lung injury receiving mechanical ventilation. Cochrane Database Syst Rev. 2009 Apr 15;(2):CD006667


High PEEPは有効?

「あっ、意外とおもしろいかも・・

執筆者の一人に勧められた「さくさく人工呼吸ケアトレーニングDS」
RTのテストでいうclinical situationみたいな問題もあります。
「どうせ基本でしょう」と思っていたら意外に広く深い知識が求められています。
試しにやってみて解けなかったのでくやしいから買ってしまいましたDS本体も購入したからちょっと高くつきましたけどね・・

さてさて、気を取り直して今日はPEEPのお話です。
ここ数年、High PEEPが注目を浴びています。

でもよく聞くのが・・・
高いPEEPを勧めても「Evidenceはないんだろう」って言われて困るといった声です。

そうなのです。
High PEEPとLow PEEPを比較した有名な研究があります。

ARDS networkのALVEOLI研究(2004)
フランスのEXPRESS研究(2008)
カナダ、オーストラリアなどでのLOV研究(2008)

これらはPEEP比較の有名な3つの研究です。
結果は・・・
「死亡率に影響しなかった」つまりHigh PEEPでも改善しないという結果でした。

確かに研究手法に関していろいろな反論はでています。
でも結果としてはこうだったのです。
このおかげでHigh PEEPを強くおせなかった方も多いのでは!?

そういった方に朗報です

上記の研究をメタ分析した研究が出ました。
結果は・・・・
「やはり全体では死亡率は改善しなかった・・・・が、サブグループにおいては改善した」

サブグループ・・・ここではARDSがある群だけでHigh PEEPとLow PEEPを比較すると死亡率が改善したという結果が出たのです。

大きな前進ですね

<参考文献>
Briel M, Meade M, Mercat A, et al. Higher vs lower positive end- expiratory pressure in patients with acute lung injury and acute respiratory distress syndrome: systematic review and meta-analysis. JAMA. 2010 Mar 3;303(9):865-73.
「APRVを同僚や後輩に説明するけどなかなか伝わらない・・

そういった声を時々ききます。

最近、たくさんの本にAPRVのことが掲載されていますが、これって結構複雑なことが書かれています。ある程度わかっている人用ですね。

いきなりリクルートメントが・・・とか、呼気フローの・・・とかではやっぱり伝わりません。

今日は基本に戻りましょう

まず、大事なポイント・・・APRVはCPAPの発展型です。

CPAPで酸素化をよくするためにPEEPをあげていくと呼吸がしにくくなります。

高いPEEPをご自分でかけたことありますか

ぜひかけてみてください。肺がすごい膨らんで呼吸がしにくくなります。

実は人工呼吸器がなくても同じような体感ができます。
はい、吸って~・・・・はい、はかずにその状態で普通に呼吸してください。
高いPEEPをかけてる状態もそんな感じです

呼吸しにくいですよね
呼吸しにくいってことは換気もしにくいのでCO2もはけにくくなります。

CPAPでPEEPをかなり上げると酸素化はよくなります・・・がCO2がはけにくい。

じゃ、どうしよう?

そうだ時々、圧を開放してCO2をはかせようってのがAPRVです。

たまに聞くのですが、APRVでCO2が低くなって自発呼吸もなくなった・・。

その場合はリリース(圧の開放)はいらないですね。

APRVの権威のHabashi先生も全症例APRVって言ってますが、正確にはAPRVとCPAPです。

高いCPAPにすると換気がしにくい、なのでリリースでCO2をはかせましょうっていうのがAPRVのコンセプトです。

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