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りょう

Author:りょう
職業:臨床工学技士、米国呼吸療法士

アメリカ留学中の私、りょうが米国呼吸療法士に関する情報を週に1回ぐらいのペースで綴ります。

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ご意見、ご感想はいつでも歓迎です。こちらまでお気軽に。


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「どうしてまだウィーニングをするのでしょうか
(Why are we still weaning?)

こういった論文が米国の重鎮であるHess先生とMacIntyre先生によって書かれています。

実は、ウィーニング自体もなくなってきているのです。

ん?じゃあ、どうやって呼吸器をはずすの
ちょっとややこしそうですが、言葉の定義の問題です。

ウィーニングはしません、でも呼吸器の離脱はします。

どういうこと
ウィーニングとは、少しずつ呼吸器のサポートを下げていくことと定義されます。

最近の流れとしては、呼吸器離脱の際には、ACからSIMVやPSVを飛ばしてSBTを行う流れにあります。

つまり、徐々に下げることはしません。だからウィーニングではないのです。


雑誌INTENSIVISTの特集もウィーニングではなく、呼吸器離脱とありますね。
そういった理由ではないでしょうか?
(ちょうど数日前に発売されましたが、おもしろそうです。まだ全く読めていませんが・・)

ちなみにSBTを何度か試みてうまくいかない時は、ウィーニングに切り替えることもあります。
「この方はウィーニングが必要かもしれませんね。」
といった感じの会話になります。

<参考文献>
Am J Respir Crit Care Med. 2011;184:392-4

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SIMVは使用しない?

「え?そうなん

一時期話題になっていましたので、知っている方はよく知っていますが、まだまだセミナー等で話すと驚かれるトピックの一つです。

これまでウィーニングでよく使われていたSIMV。
それが全国的にも、世界的にも使用されなくなってきています。


どうして
呼吸器離脱方法をSIMV、PSV、SBT(自発呼吸トライアル)で比較すると、実はSIMVでは、一番時間がかかるという研究がでています。できるだけ早く、人工呼吸器をはずしたいのに、SIMVを用いるとそれだけで離脱が遅れてしまうのですね。

実はこの論文がでたのが1995年です。
SIMVがおもいっきり使われていた時代でしたが、そこから少しずつ注目されていったのだと思います。

そして実は、ガイドラインにも明記されています。
「SIMVをウィーニングに使用することは避けること」

ここまではっきりと書かれていたらやっぱり使用はさけるべきですね。

ちなみにこのガイドラインは、2007年にヨーロッパの雑誌からでていますが、ヨーロッパ呼吸器学会や集中治療学会、アメリカの胸部学会、集中治療学会などが様々な学会が関わって作成されています。


<参考文献>
N Engl J Med. 1995 Feb 9;332(6):345-50
Eur Respir J. 2007 29(5): 1033-56

シンクロニー

お~、きれいにそろっているなぁ。
シンクロと言えば、シンクロナイズドスイミングを思い出すのは私だけでしょうか?

この競技のことを日本語に訳して同調水泳?という人はまずいないですね。うまく、言葉がひろまっています。

皆さんは、人工呼吸器でいう「同調してます」っていうのはどんな意味で使いますか

個人の経験上では、現場においては下記の二通りに使われているですね。

1)自発呼吸が無く、完全に人工呼吸器にのっているという意味
2)患者さんと呼吸器がうまくあっているという意味

これって大きな違いです。
「同調」という言葉が出てきたらいつもどちらの意味か確認します。
日本では比較的前者の使い方が多い印象です。
そして後者の判断は波形をちゃんと見ないとわかりませんね。

「同調」という言葉は、混乱を招くので私自身は使わないようにしています。

ファイティングってほどではないけど、うまく設定があっていない場合はなんて表現したらいいのかぁって思っていると、ある先生が、
「これってAsynchrony(エィシンクロニー)してない?」
さすが、米国にいっていた医師が多い病院です。
同調よりもやはりこの表現が一番ピンときます。

シンクロナイズドスイミングも無理に日本語訳にしていないから、Asynchrony(エィシンクロニー)もそれでいけそうかも。
というわけで、Intensivistの記事もこの表現で書かせてもらいました。

え?別にそこまで細かく設定や波形を観察しても変わらないって?
患者さんに影響しないだろうって?

はい、私もそう思っていました。そんな細かい波形の観察は自己満足かも?って。
でも、もしそれで人工呼吸器の装着日数が減少するとしたら・・・・。

「Asynchrony(エィシンクロニー)があると人工呼吸装着日数が増加する!」こういった研究がでています。
細かいと思える波形の観察も大切ですね^^

<参考文献>
intensive care med 2006; 32:1515-1522

抜管できる?

「よし、酸素化もいい、換気状態もいい。そのまま人工呼吸器を離脱して、抜管しようか!」

ん?これだけの評価で本当に大丈夫

実は、人工呼吸器をはずすことと、抜管は別物です。

あれ?このフレーズ聞き覚えあるなぁ。
「酸素化と換気は別物です」と同じ感じですね。

うん、呼吸状態がよくなったぁ、人工呼吸器ははずせるな。
でもまだチューブは抜けないなぁってことは多々あります。

じゃあ、何を評価すればいいの

はい、念のため、論文もあさってみました。
やはり定番は、これらです。
・意識レベル
・咳の強さ
・痰の量

(あっ、もちろん上気道閉塞があってもだめです。)

おもしろい研究があって、咳の強さが十分にないと5倍のリスク、意識レベルが十分でないと4倍のリスク、痰の量が多いと3倍のリスク。
さらにそれぞれ相乗効果があって3つともだめなら100%、すべてクリアなら3%の再挿管率だったというデータがでています。

さぁ、抜管しようかって時にはこれらの3つの評価が必要です。

鎮静はOFFにしたけど、なんか反応悪いな~とか、呼吸状態はすごくいいけど、OP後の痛みのためか、咳が弱いなぁって時はもう一度よく検討してみましょう


最近は、呼吸器の離脱関連に関心がでているのですが、次のintensivistでは、「呼吸器離脱」が特集されています。
おもしろそうです。私も少し絡んでいますのでぜひ読んでみてくださいね^^

<参考文献>
Intensive Care Med. 2004 Jul;30(7):1334-9. Epub 2004 Mar 4


咳の強さと抜管

「呼吸が安定してきたから抜管できそうかな~」

「先生、ちょっと咳の強さを確認します。」

抜管の際には、咳がちゃんとできるかどうかの確認が重要です。

咳ができないと排痰ができないので危ないです。


で、この咳の強さ、どうやってわかりますか
強い、普通、弱いってのもありですが、まぁ、人によって必ずばらばらになりそうです。

一体、どのくらいの咳の強さがあれば抜管できるんだ?と思って調べたことがあります。

いくつかの論文をみてみると、最大呼気フロー60L/min以上っていうのが多い。(ある論文によると60L/min以下だと5倍抜管に失敗しやすいともある)

ちなみに最大呼気フローとは、フロー波形の呼気側の一番低い位置にある時にフローの値です。
すぅ~っと吸った時に、吸気側が一番高くなる位置が最大吸気フロー、
はぁ~っと吐いた時に、呼気側が一番低くなる位置が最呼気フロー。

それ以来、吸引等で咳をする時はすぐに最大呼気フローをチェックしています

これで咳の強さを客観的に数値で評価することができますね

<参考文献>
Chest. 2003 Jul;124(1):262-8.

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