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りょう

Author:りょう
職業:臨床工学技士、米国呼吸療法士

アメリカ留学中の私、りょうが米国呼吸療法士に関する情報を週に1回ぐらいのペースで綴ります。

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「最近、ブログ更新少ないですね。」

あいたた・・・今日、痛いところをつかれてしまったので早速更新します

気がつくと、ATSガイドラインやドイツなどで自発呼吸の話が途中で終わってました。

前の記事で触れた「自発呼吸も結果的には呼吸仕事量を下げることになる」ってとこ。ここに戻りましょう

これってどういうこと
自発呼吸があれば、自発呼吸がない時に比べて呼吸仕事量はあがる・・だから逆じゃないの
はい、その通りです呼吸しているのですから呼吸仕事量はもちろん上がります。でもこれはそういった意味ではないです。

自発呼吸を残す → 横隔膜の動きで無気肺改善 → コンプライアンス改善 → 呼吸仕事量低下

ということです。
じゃあ、逆に自発呼吸をなくしていると・・・

自発呼吸なし → 横隔膜の動きがなく無気肺増加 → コンプライアンス低下 → (自発呼吸を出す時に)呼吸仕事量上昇

そう、自発呼吸を残していると最終的には呼吸仕事量を低くおさえれますって意味です

ポイントはコンプライアンスと呼吸仕事量の関係です。
ずっと前にブログに書きましたね。
え〜、覚えてないよ〜って方はこちらへ。


思い出しましたか?
コンプライアンスが低い患者さんで人工呼吸中の気道内圧が上昇するのは経験されますね。これって換気をするためにより大きな圧力が必要ってこと。言ってしまえば人工呼吸器の仕事量増加って感じです

より大きな圧力が必要ってことは自発呼吸の時でも同じですね。でもこちらは人工呼吸器の仕事量じゃなくて、患者さんの仕事量増加につながりますね。


2回目のドイツ

先週、ドイツのボンに行ってきました

今回、初めて電車に乗ったのですが、そのシステムがわからなくて困った。。

チケット販売機もなんか複雑。その辺のドイツ人にいてもそっけないし、たまたま通りがかった日本人に助けてもらいました

さて、今回は研修+会議目的だったのですが、個人的に一番期待していたのはプーテンセン(Putensen)先生の講義。

プーテンセン先生だけでなく、一緒に働いている先生方の話も聞けました。

講義の正直な感想・・・難しかった

かなりのペースで進むし、ついていけないとこもありました。

コソ勉はしっかりしていったのですが、話がいろいろと広がってガティノーニせ(Gattinoni)先生やヒックリング(Hickling)先生の論文の話にまでいって・・・あ〜、ちゃんと読んでおけばよかった。。反省です。

悔しいから読みます読んだらまたアップします。

しかもプーテンセン先生は忙しいようで「今から一人ECMOにのるんだよ〜」って言いながら講義が終わったらちゃっちゃと帰ってしまった。

集中治療学会で日本に来るのでその時に質問攻めにさせてもらおうっと


「あっ
ちょっと驚きです

ATS(アメリカ胸部学会)のHPに新型インフルエンザで重症化した場合の換気方法のガイドラインが掲載されました。

著者はあのMacIntyre(マッキンタイラー)先生です
Duke大学でAARC(アメリカ呼吸療法学会)の重鎮です。

え!?何が驚きかって
ガイドラインが掲載されたことよりもMacIntyre先生がAPRVを推薦しているのが驚きです

MacIntyre先生は結構APRV反対のイメージでした。
APRV反対というよりもオープンラング反対というべきかも。

肺保護換気の方法をざっくりと2つにわけてしまうと低一回換気療法オープンラング法に分かれます。

どちらも十分なPEEPが必要という点、高すぎる吸気圧(プラトー圧)は悪という点は同じです。

じゃあ、似てる

いえいえ、無気肺に対するアプローチという点では正反対と言っていいくらいです。

無気肺を許容してでも一回換気量やプラトー圧は低く維持・・・・ってのが低一回換気療法。

無気肺が悪。一時的に高い圧をかけてでもそれを広げよう・・・・ってのがオープンラングです。

どちらがいいのかはわかりません。
現時点でエビデンスが確立しているのは低一回換気療法。
日本の学会でより注目されているのがオープンラング法。

MacIntyre先生は低一回換気療法派でした。
その先生がオープンラングの変法とも言えるAPRVを推薦しているとは・・・。

ガイドラインでは低一回換気療法、APRV、HFOVが推薦されています
一見の価値有りです
知る人ぞ知る肺保護換気ワークショップ(参加費11万円)にスタッフとして参加してきました。
ここでは実際に大動物を使用して肺保護換気を行います。
やっぱりすごいですね
スタッフなので自由になんでもできるわけではないのですが、それでも楽しめました。
参加者の方もその内容のために、高い参加費が高く感じないと言われる方が多いようです。


さて、話は自発呼吸に戻ります。

よくある議論です。
「(PSのない)自発呼吸もいいけど、呼吸仕事量を減らすためにはPSが必要じゃないの

みなさん、いかが思われますか
ぜひ考えてから進んでくださいね。




私の答えは・・・はい。その通りです。
うん、じゃあ終了・・・・っていうわけではありません

その状態での呼吸仕事量を減らす目的というならその通りですね。
今のこの状態ですぐに呼吸仕事量を減らしたいんだぁっていうのならどうぞPSをガンガンあげてください。呼吸仕事量は減少します。
でも横隔膜をダイナミックに動かして無気肺を改善、肺を膨らませるっていうならやっぱり(PSのない)自発呼吸です。

「PSを上げると直線的に横隔膜の動きが低下する」という研究があります。

PSを上げれば上げるほど横隔膜の動きは低下してしまうのですね。
PSでも自発呼吸だぁってのはある意味正しいのですが、横隔膜の動きという点ではその恩恵を失くすのですね

これが前回挙げたPSとAPRVの無気肺改善効果の考察の一つです。
APRVだと自発呼吸のために無気肺は改善したけどPSだと横隔膜の動きが低下していたので改善しなかったいう考えですね

先の議論においては、PSでその時点での呼吸仕事量を下げたいか、自発呼吸で肺を膨らませたいかっていう選択になるのでしょう。

でも自発呼吸も結果的には呼吸仕事量を下げることになる・・・っていうのはまた次回にでも書きましょう

<参考文献>
Akinori Uchiyama. Comparative evaluation of diaphragmatic activity during pressure support ventilation and intermittent mandatory ventilation in animal model. AM J Respir Crit Care Med 1994 150: 1564-1568


さて、今日も気ままに続きます・・・

もう何年も前から
「自発呼吸はいいんだぁ。背側の換気がよくなるんだぁ。」
って言われていますが、それって自発がない状態(IPPVとか)と比較して言われてきたのだと思います。

でも・・・よく考えると・・・自発呼吸の定義って何
PSも自発呼吸になるんじゃないのって思いませんか?
ならPSをかけても無気肺改善には同じ効果があるの

どうなのでしょうか?

これが気になってからずっと論文を探していたのですが、残念ながらはっきりとそれを示すものはヒットしませんでした

でも・・・この前の呼吸療法医学会のフォーラムでそれを示すおもしろい発表がありました

APRVとPS(平均気道内圧は同じ)で酸素化と無気肺改善(CT上)を比較。

そうすると・・・・
酸素化はAPRV、PSともに改善。
無気肺はPSでは改善せず、APRVで改善とあったようです。

そう、つまり、PSでは無気肺改善効果はなかったが、(PSのない)自発呼吸では無気肺改善効果があったことを示唆しています。

どうして
考察としてはPSと横隔膜の動きの関係の研究を示していました。
これは論文として存在するので来週にでも書こうかな〜と思っています。

あと、発表では触れてませんでしたが、個人的には吸気時間も気になるかな〜。

おもしろいですね、この研究。自分でしたいくらいです。

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